いっそ始まらなければ



ねえ。

どうして彼女だったの?
どうして私じゃダメだったの?



どうして

目を醒ましてくれないの?



「涼宮さん。」

「あ…古泉くん、時間なの?」

「はい。…ひどい顔色ですよ。」

「ううん、平気。」




だってキョンの方がひどい顔色だもん。



こんな真っ白で…。


変ね、男なのに眠り姫みたい。
私がキスしても起きてくれないかな。


…彼女なら起きてくれるの…?




###



もう彼は起きないかもしれない。


目を閉じたままの彼の顔を眺めた。


意外と綺麗な顔をしていたんだなと
意味もない事を考えた。

考えながら髪に触る。


「…少し伸びましたね。」



前の彼なら嫌がっただろうな。



「…嫌がってくださいよ。」


あなたは涼宮さんを選ぶべきだと何度も言ったのに。
そうしないと世界が変えられると何度も。


でも世界は変わらなかった。



あなたの心が消えただけで。


それと同時に彼女はなにもできなくなった。


あなたの心こそが能力の源だったのか、真実はわからないけれど。
もう神人が出る事はない。




でもあなたは



それを知ることも。






「ごめんね古泉くん。」




「え?」



ふと背後から聞こえた声を最後に、僕の記憶は途絶え。

気が付いた時。

彼は消えていた。




end


わかりにくいんですが鶴屋さんがキョン君を拉致しました;;
中途半端な文章。
オチつかないなー;。




戻る